未経験者はホームページづくりも実績に!Web制作やWebデザイナーのフリーランスとして活動するための方法を紹介

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スマートフォンの普及やインターネット回線の高速化にともない、スマートフォンを利用してWebサイトを訪れるのが当たり前となっている現代。そういったなかで各企業がオウンドメディアを持つようになり、Web制作やWebデザイナーの需要が高まっています。以前は本業と別の仕事をするには転職する必要がありましたが、副業としてフリーランスで働けるようにもなりました。

フリーランスでWeb制作を仕事にするにはどうすればいい?」

「未経験でも始められる?」

そのような疑問をお持ちではないでしょうか。本記事ではフリーランスでWeb制作を仕事にする方法や、必要なスキルなどを解説しています。フリーランスでWeb制作に興味がある人は、ぜひチェックしてみてください。

Web制作のフリーランスとして活動は可能なのか?

結論からいうと、Web制作のフリーランスとして活動することは可能です。これまではWeb制作の仕事となると制作会社に発注するのが一般的でしたが、現代ではフリーランスに発注する企業も増えています。

その理由としては企業に発注するよりも低コスト、短期間で済むことが挙げられます。企業に発注すると各工程で専門の人がいたりするので、その分コストが高くなる傾向にあります。また、担当者にしかわからないことがあるので、ちょっとした疑問に対しても返答に時間がかかってレスポンスや納期に影響がある場合も。

一方でフリーランスは少人数で仕事を進めているケースが多いため、スピード感を持って対応できます。ただし、企業を相手にする場合は相応のスキルやクオリティが必要です。

ほかにフリーランスとして活動できる理由に、技術の進歩によってWeb制作に関するハードルがさがったことが挙げられます。Web制作はプログラミング言語の理解が比較的容易で、CMSというシステムを使えばプロのようなアウトプットが可能です。

しかし、フリーランスは待っていても仕事はきません。自ら営業して仕事を獲得しましょう。

Web制作フリーランスの仕事の流れ

それではWeb制作の流れをみてみましょう。

  1. 案件を受注
  2. ヒアリングや打ち合わせ・契約
  3. Webデザイン制作・コーディングの実施
  4. 確認・修正対応
  5. 公開・納品
  6. 請求・アフターフォロー

大まかな流れは以上となりますが、受注について少し掘り下げます。

フリーランスとして受注するには「クラウドワークス」や「ランサーズ」という、クラウドソーシングサービスをうまく利用しましょう。これらのサービス上には、企業や個人がWeb制作の募集をしている案件があるので、ここで仕事を獲得しましょう。ただし何も実績がない人がいきなり仕事を獲得するのは難しいので、まずはポートフォリオ(制作実績)をつくることが大切です。

まだ実績がない場合は、自分でホームページを立ち上げて流入を狙うのもひとつです。もしくは知り合いの企業や店舗を手伝うなどでWeb制作をつくってみることをおすすめします。そこで流入があった場合は、ポートフォリオのひとつになります。

ほかにもX(旧Twitter)などのSNSで仕事を獲得する方法があります。Web制作について発信を続けると、SNS経由で仕事の依頼が来ることも。SNSとうまく絡めて仕事を獲得しましょう。

Web制作フリーランスになるためには何をするべき?

ではWeb制作フリーランスになるには何をするべきかを解説します。CMSというシステム(ツール)の使用方法を習得すると比較的簡単にWeb制作は可能ですが、CMS以外にもスキルを磨くように心掛けましょう。

CMSのスキル

CMSとはWeb制作に必要な専門知識がなくても、簡単につくれるシステムを指します。代表的なサービスにWordPress(ワードプレス)がありますが、直感的に操作できるため知識があまりなくても作成可能です。

ただし扱いやすい面がある一方で、ほかのサイトと差別化するために細かなデザインを指定するのがむずかしいことも。その場合は以下のようなスキルを身に付けることも大切です。

HTML/CSSのスキル

Webページの表示の部分に関わるのが、HTMLとCSSのスキルです。HTMLはWebページを作成するための言語のことで、CSSはWebページの文字の色や大きさなど、見た目のデザインに関わる言語のことです。これらのスキルを持つことで細かなデザインの指定なども可能となり、よりクオリティの高い制作が可能となります。

JavaScriptのスキル

サイトを訪れた際にマウスを動かすと、アニメーションが動くのを見た経験はないでしょうか。JavaScriptとはそういった動きを指定するためのプログラミング言語のことであり、サイトの多くに使われています。サイトを訪れた際にユーザーの指示によって双方向性が持たれると、ユーザーがサイトに滞在する可能性があがります。このことから、身に付けたいスキルのひとつといえます。

Web制作フリーランスの平均年収はいくら?

フリーランス協会が発表した『フリーランス白書2023』によると、「クリエイティブ・Web・フォト系」を仕事としているフリーランス(全体の26.6%)のうち約半数が年収400万円以上でした。

ただし、フリーランスが増えていることや技術の進歩によって、参入ハードルが低くなっていることからも、今後もライバルが増えることが予測されます。前述したように、より高いスキルの向上が必要といえるでしょう。

未経験でもWeb制作フリーランスで活動できる?

未経験の初心者では、Web制作のフリーランスとして安定して生計を立てたり、活躍したりするのは簡単ではありません。そこでフリーランスとして活動するためのステップを紹介します。

  1. Web制作のスクールや独学で知識を身につける
  2. Web制作企業に就職し、実務経験を積む
  3. 本業と同時並行で、副業で案件に取り組む
  4. フリーランスとして独立する

これらのステップを具体的に解説します。

まず知識やスキルを身に付けるために書籍などから独学で学習することもできますが、時間が掛かることが予測されます。一刻も早くフリーランスとして活動したい人はスクールを活用してサポートを受けるのがおすすめです。

スクールの良い点は体系的に基礎スキルを学べることや、わからないことを質問できる点です。独学で勉強する際にわからないことで壁にぶつかると、挫折するリスクがあります。もし独学で学ぶ場合は自分でホームページを立ち上げ、実際に流入があるかどうか検証しましょう。そこで流入があれば実績につながります。最初は自信が持てないかもしれませんが、マーケティングの知識が付くと実績も上がります。作り方もはじめは型にはめてやった方がよいですが、徐々に自由に作れるようになるでしょう。

次にWeb制作企業に就職することをおすすめします。企業ではスキルを覚えることはもちろん、仕事全体の流れや、業界のなかでコネクションをつくることも可能です。フリーランスとして独立した際にコネクションがある場合は、仕事もうまくいく可能性が高まります。

企業で勤めながらもおすすめしたいのが、実際に副業を通して自分でお金を稼ぐことです。会社員とフリーランスでは責任の重みも変わってくるので、副業で経験することをおすすめします。副業で生活できる目途が立てば、フリーランスとしての独立も視野に入れましょう。

はじめての案件を獲得するときには、クラウドソーシングサイトやエージェントサービスを利用するとよいでしょう。オンラインで営業できるため非常に効率的です。また、運営は信頼できる会社が行っているため、掲載されている情報も信用できるものでしょう。

フリーランスとして活動する際の注意点

フリーランスは会社員とまったく異なる働き方であり、どちらかというと経営者に近いスタンスとなります。どのようなフリーランスとして仕事をしていくえで、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?

インボイスに登録するか?

令和5年10月1日から運用が開始されましたが、未だに反対する人の声も大きいのが「インボイス制度」。ここでは制度の詳細の説明は省きますが、反発しているフリーランスの意見を聞くと、今まで納税が免除されて利益(益税)になっていた消費税の納税義務が発生することに対して反対していることが多いように感じます。

インボイスの登録は任意です。そのため、消費税を納入したくないフリーランスは、インボイスに登録しなければ良いだけです。しかし、フリーランスインボイスに登録しないとクライアントは仕入税額控除(受け取った消費税と支払った消費税の相殺)ができずに、クライアントの消費税負担が大きくなります。そうなると、フリーランスへの発注額を消費税額分だけ値下げする可能性があります。

また、新しいクライアントと契約しようとしても、インボイスに登録していないと敬遠される可能性があります。消費税納税の負担と、これらのリスクを比べてインボイスに登録するかよく検討しましょう。

インボイス反対派の中には「インボイスに登録すると生活できなくなる」と言っているフリーランスもいるようです。ただ、消費税分の利益がなくなったくらいで生活できなくなる状態だと、そもそも事業として成り立っていないのではないでしょうか?

フリーランスは1人で活動することが多いですが、やっていることの本質は会社経営と同じです。営利目的である以上は利益を追及しないと事業を継続できないのです。

インボイス制度への不満は多くの人が持っているでしょう。しかし、自分の事業がうまくいかないことをインボイス制度への不満の結びつけるのは、フリーランスとして無責任ではないでしょうか?

契約書の内容をよく確認する

フリーランスになると、基本的に案件を受注した時に契約を結びます。このとき、契約書の内容をよく確認して下さい。理想的なのは、一字一句確認して不明点をなくしてから契約することです。

契約書をよく読むと次のようなことが書かれている場合があります。

  • 再委託(受注した案件をほかのフリーランスなどに外注すること)はできない
  • 業務上知り得た情報は口外禁止(別途、秘密保持契約を結ぶ場合もある)
  • 納品物に不備があった場合は修正する
  • 納品物が原因で第三者から訴訟を起こされた場合は、フリーランスが責任を負う
  • 反社会勢力と関係を持っていないこと

たまにSNSなどにおいて同業種間で案件を委託しているのを見るでしょう。しかし、再委託禁止の契約を結んでいる場合、自分のリソースが足りないからといって他のフリーランスに仕事を依頼することはできません。そのため、同業種間で案件を依頼しているフリーランスは、クライアントとそのような契約を結んでいないのでしょう。

業務上知り得た情報の取扱いにも注意が必要です。SNSへの無断投稿は以ての外ですが、飲み会などで知り合いのフリーランスと話すことすら(契約上は)禁止されています。どこに関係者がいるかわからない状態で、迂闊に秘密情報を話すのはやめましょう。

納品物に起因する訴訟についても注意が必要です。場合によってはちょっとした言葉遣いやちょっとした表現が大問題に発展することもあります。一般的には問題ない表現であっても、(病気などの)当事者にとっては不快に思われることもあります。

極論、お金さえ(弁護士費用など)払えば訴訟は誰でも起こせます。裁判はその結果によらず、時間的にも精神的にも負担の大きいもの。たとえあなたが敗訴しなかったとしても、裁判に時間を取られている間仕事ができなくなります。

納得できない仕事は受注しない

フリーランスは会社員ではありません。そのため、誰からも命令されることはありません(契約を結んだ仕事内容についてはこの限りではない)。会社員の頃は納得のいかないことがあっても「上司に盾突くと不当な扱いを受ける」とか「会社を辞めたいけど、辞めたら生活をしていけない」など、さまざまなしがらみがあって命令に従っていたでしょう。しかし、フリーランスはそのようなストレスを感じることはありません。

納得のいかない仕事は受けなければ良いのです。しかし、独立直後のフリーランスでは「この案件を手放すと売上が下がる」と心配になり、納得できなくても案件を受注することがあるでしょう。はじめのうちは仕方ないかもしれません。しかし、スキルや実績を積んでいく中で、少しずつそういった案件は断っていきましょう。そうでなければ、リスクを負ってフリーランスになったにもかかわらず、会社員と同じようなストレスを抱えなくてはなりません。

スケジュール管理が売上に直結する

フリーランスは誰からも案件の進捗を管理されることはありません。そのため、納期までに所定のクオリティの成果物を納品すれば、いくらスケジュールが遅れても問題ないのです。しかし、スケジュールが遅れるということは、それだけこなせる案件が少なくなるということです。

あなたの月間売上を稼働日数で割ると、1日あたりの売上(収入)を計算できるでしょう。それが仮に2万円だとしましょう。そうすると、スケジュールが1日遅れるごとに、あなたは2万円を失っていることになるのです。1日程度なら、休日(に設定している日)に稼働すれば遅れを取り戻せるでしょう。しかし、それが3日、4日と積み重なると取り戻せなくなります。

「時は金なり」という言葉がありますが、フリーランスはまさにそのような生き方です。仕事をする中で「今やっていることは売上になることか?」を常に考え、1日の仕事を終えるときには「今日1日で稼いだ売上」を確認しましょう。時間をお金で換算する感覚を持っていると、スケジュールに遅れることが怖くなり、必死にスケジュールを守るようになるはずです。あるいは、少しでもスケジュールに遅れたら、その日中、あるいは次の稼働日には取り戻そうとするでしょう。

体調管理に関しても同じことが言えます。たとえスケジュール遅れの理由が体調不良であっても、スケジュールが遅れた(=売上を失った)という事実は変わりありません。会社員の頃は「風邪をひくと会社を休めてラッキー」と思ったかもしれませんが、フリーランスが風邪をひくとその分売上が下がります。あるいは納期を守るためにリカバリーが必要です。そう考えると、普段の体調管理にもよりいっそう気を遣うようになるでしょう。

人生の経験が仕事の幅を広げる

どうしても仕事する気にならないとき、フリーランスなら動画を見たりWebサイトを見ても誰からも咎められません。しかし、中にはそのような自分に対して「仕事をサボっている」と嫌悪感を抱く人もいるでしょう。

しかし、フリーランスは良い意味で仕事とプライベートの境がありません。プライベートで得た知識や経験を仕事に活かせることがあるのです。また、直接仕事に活かせなかったとしても、いわゆるサボりが良い息抜きになりその後の仕事が捗ることもあります。

たしかにスケジュール通りに仕事が進まなかったり、気が乗らなかったりするとナーバスな気分になるかもしれません。しかし、その間に得た知識や経験がこの先の仕事の幅を広げるなら、それはきっとあなたにとって必要な時間なのでしょう。

まとめ

本記事ではWeb制作のフリーランスに必要なスキルや、フリーランスとして活動するための方法について紹介しました。Web制作のライバルも増えているなか、フリーランスとして活動するのは容易ではありません。しかし、具体的なステップで紹介したような手順を踏めば、フリーランスとして活動できる可能性もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

投稿者プロフィール

廣石健悟
廣石健悟
12年の会社員経験(メーカーの機械設計など)を経てフリーライターになりました。会社員の良さ、フリーランスの良さそれぞれを実際に体験しています。記事執筆の他にインタビュー、取材(写真撮影含む)もできます。

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