副業の社会保険加入は必須?副業ブームだからこそ知っておきたい基本情報や注意点を解説します

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新型コロナウィルスを機に、働き方を見直すべきと感じた人やフリーランスとして活動していきたいと感じた人は多いのではないでしょうか。実際に会社に勤めていながら、副業を始める人が増えています。そこで注意したいのが社会保険です。基本的な知識を持っていないと余計な課税や罰金が科せられてしまう可能性があるので、社会保険料については事前にチェックしておきましょう。そこで今回は、副業の社会保険について副業ブームだからこそ知っておきたい基本情報や注意点を解説します。

社会保険とは

社会保険とは、日本国内で生活をしていくために設けられた公的保険です。具体的には、健康保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険があり、その総称を社会保険と呼んでいます。一般的に社会人として会社に属していれば、会社が一定の条件を満たしていることが多いため、自動的に加入している人がほとんどです。

また社会保険料に関しては、会社と折半することができるので厚生年金は被保険者が支払う金額に会社が負担する金額を上乗せできれば、フリーランスなどが加入する国民年金に比べて将来受け取れる額が高くなる傾向にあるのも特徴といえます。

社会保険の加入条件

では、社会保険の加入する条件にはどんなものがあるでしょうか。社会保険にはいくつかの種類がありますが、そのうち労災保険だけは被保険者という概念がなく、雇用される労働者であればすべて適用されます。そのため、他の社会保険には所定の加入要件があるのでチェックしていきましょう。

健康保険・厚生年金保険

この二つの保険は、法人事業所と常時5人以上の個人事業所は制度に加入する義務があり、労働者を厚生年金保険・健康保険に加入する手続きをする必要があります。例え雇用形態が学生や主婦であるパートやアルバイトであっても、週に働く所定労働時間および1カ月の所定労働日数が同じ事業所で働く正社員の4分の3以上であれば被保険者となります。どちらに該当しなくても、以下の5つの要件をすべて満たす場合は、被保険者になるので注意が必要です。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 勤務期間が1年以上見込まれること
  • 月額賃金が8.8万円以上
  • 学生以外
  • 従業員501人以上の企業に勤務していること

社会保険の中でも雇用保険については、二重加入できないため、加入要件に該当しても手続きは不要となります。

副業をすると社会保険料は増えるのか

副業あるいは兼業といっても、形態は一つではないため加入義務は収入の種類により異なるため、国が指定する条件を満たしているかが重要となります。本業は会社員や派遣社員として社会保険に加入し働いている場合には、別途副業で得る収入が雑所得や事業所得のケースは、新たに社会保険に加入する必要がありません。

一方で、副業で得る収入が本業とは別に企業に雇用されている場合には、以下の条件を満たせば本業と副業のどちらも社会保険に加入する必要があります。

  • 従業員数101人以上の企業で働いている
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上である
  • 雇用期間が2か月以上である
  • 賃金の月額が88,000円以上である
  • 学生ではない

社会保険への加入が必要なのは、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数がフルタイムの方の3/4以上である場合です。条件をすべて満たしているかが重要となるため、社会保険への加入義務があるのかどうか必ずチェックしておきましょう。ちなみに、フリーランスや個人事業主として起業する場合は、会社に属している労働者ではないため、新たに社会保険の適用もありません。

社会保険料が増えないケースはある?

では副業で社会保険料が増えないケースはあるのでしょうか。副業でも個人事業としてフリーランスとして活動している人やFXや株などの投資をしている人は社会保険に加入する必要がないため、社会保険料は増えません。ただし、事業所得や雑所得が生じ、確定申告は必要になるので注意してください。さらに個人とは別に労働者を雇用する場合には雇用する労働者によっては社会保険に加入させる義務が生じるので、社会保険料が増えてしまう可能性があります。

2か所以上で社会保険に入ることはあるのか

主婦や学生がよくやっているダブルワークですが、社会保険の加入要件に該当すると被保険者となり勤務先の社会保険料だけでなく、新たにダブルワーク先の社会保険料を納めなければなりません。もしも社会保険料を増やしたくない場合には、少なくとも1週間の所定労働時間を20時間未満に調整するなどの対策を行いましょう。

また個人事業主であっても、起業し法人を設立した場合には条件を満たした場合社会保険に加入する義務があるので注意してください。

副業によって二重加入になったにもかかわらず、加入手続きをせずに放置してしまうと年金事務所による総合調査に引っかかり、大量の帳簿を年金事務所に持参しなくてはいけません。

社会保険に入らないという選択肢はある?

先でも紹介したように、主婦や学生がよくやっているダブルワークに関しては、社会保険の加入要件に該当してしまうと社会保険に加入し社会保険料を支払わなくてはいけません。そのため、社会保険に入りたくない場合には、加入要件を満たさないようにシフト調整すると回避することが可能です。

また、もしも社会保険に入りたくないと決めている場合には、求人に応募する段階で募集要項をしっかりと確認しておくのも対策の一つです。勤務形態はもちろんのこと勤務してほしい時間や時給、週にどれくらい働いてほしいのかなど、求人には条件が細かく記載されています。どうしても勤務先の距離や時給ばかりに目がいってしまいますが、記載されている条件にはすべて目を通し、社会保険の条件に引っ掛からない勤務先を選んでみてはいかがでしょうか。

また、どうしても求人の文章だけでは汲み取れない部分もあるため、最低限の条件がクリアできていれば、面接の場で直接確認を行うのもいいでしょう。面接官の雰囲気や仕事を急いで探しているかどうかにもよりますが、応募や面接の段階で先に社会保険に加入しない範囲で働きたいことを伝えるのも効率的でおすすめです。面接時にしっかりと双方の条件が合っているのか確認することができれば、仕事をスタートしてからこんなはずではなかった…という後悔をすることはありません。逆に勤務先は社会保険に該当しないようにシフトを調整してくれるので好都合といえるでしょう。コツとしては、なぜ社会保険に加入したくないのか理由を伝えると、相手にも理解してもらえやすいので参考にしてみてください。

まとめ

今回は副業の社会保険について、副業ブームだからこそ知っておきたい基本情報や注意点を解説してきました。社会保険の加入に関しては、副業の種類によって異なることがお分かりいただけたかと思います。個人事業主やフリーランスという形であれば、社会保険に新たに加入する義務はありません。しかし、従業員数101人以上の企業に雇用されている場合には社会保険に加入しなければいけない条件を満たしている可能性が高いため、必ず雇用先に確認を行いましょう。社会保険に加入しなくてはいけないのかどうか、不安に感じていた方の参考になっていたら嬉しいです。

投稿者プロフィール

松田勇
私は10年以上にわたり、デザイナーとしてのキャリアを積んできたフリーランスデザイナーです。デザインの魔法に魅了され、クリエイティブなアイデアを実現することが私の情熱です。
さまざまなデザインプロジェクトに携わり、ロゴ、ウェブ、印刷物、パッケージなど、多岐にわたる分野での経験を積んでいます。美しさと実用性を融合させ、クライアントのビジョンを実現するお手伝いを心から楽しんでいます。
クライアントとの協力を大切にし、オープンなコミュニケーションを通じて共にプロジェクトを築き上げます。納期を守り、高品質な成果物を提供することをお約束します。
私のデザインはビジネスに魅力を与え、ブランドを輝かせます。クリエイティブなアプローチと柔軟性を大切にし、クライアントの期待をいつも超えることを目指しています。一緒に素晴らしいプロジェクトを実現しましょう。

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