フリーランスとして動画編集を仕事にすることは可能なのか?仕事内容やスキルについて紹介

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YouTubeやTikTok、Instagramのリールなど、動画市場は今も伸び続けています。そこで、フリーランスとして、動画編集を仕事にする方も増えてきましたが、「初心者でも動画編集を仕事にすることができるのか?少しかじった程度でも大丈夫なのか?」と考える方も多いのが現状です。

そこで今回は動画編集をフリーランスとして仕事にするまでの流れや、スキルについて詳しく紹介していきます。

フリーランスの動画編集者として活動できるのか?

動画編集の仕事は撮影した映像や音声をWEB上で動画として公開していくために、編集する作業の仕事を指します。最近では動画はもちろんですが、ショートムービーが流行しており、動画編集の仕事の需要は今後も継続して伸びていくと考えられます。フリーランスとして活動できるかというと、「活動はできる」というのが答えではありますが、当然ながら動画編集のスキルによって仕事の単価は決まってくるので、いかに早くスキルを身につけて単価を上げることができるかというのが大切になってきます。

また、仕事の質によってはクライアントから継続して仕事の依頼をいただくこともできるので、高単価のクライアントから継続受注できるようになってくると安定してフリーランスとして活動していくことが可能になります。

フリーランスの動画編集者の仕事内容

動画編集者の仕事内容について紹介します。仕事の受注から納品までの流れは以下のようになります。

  1. クライアントから動画・音声のデータを入手
  2. 入手した動画・音声データを動画編集ソフトに取り込む
  3. 作成された構成を基に動画をカット、並べ替える
  4. 動画にテロップの作成・挿入
  5. クライアントに納品

このような流れで仕事を請け負っていきます。納品前に修正依頼が入ることもあるので、修正を見越して早めに納品していくのが信頼を得るポイントとなってきます。

動画編集者に向いている人・向いていない人の特徴

どのような人が動画編集の仕事に向いているのでしょうか?ここで向いている人の特徴と、向いていない人の特徴を挙げます。

向いている人の特徴

気の遠くなるような作業をコツコツとできる

動画編集では1秒単位、1px単位での調整が必要となります。どのタイミングでテロップ(字幕)を入れるか、どのタイミングで効果音やBGMを入れるかなど、少しの違いの積み重ねが動画全体の印象を変えてしまうこともあります。そのため、小さなことをコツコツとできる人でないと、動画編集の仕事はできないかもしれません。手を抜いた瞬間、その動画のクオリティは下がる一方になってしまうでしょう。

体力と集中力の持続に自信がある

動画編集には意外に時間がかかるもの。5分〜10分の動画を作るのに数時間、場合によっては10時間以上かかることもあります。そのため、動画編集者には基本的な体力が必要になります。また、体力だけでなく集中力も必要になるのです。

前述の通り、細かいことの積み重ねが動画全体の印象を決めるため、一つひとつの作業に集中して取り組む必要があります。集中力が続かないといつまで経っても仕事が終わらないばかりか、ミスも多くなってしまいます。

自分の好きなように働きたい

動画編集者は、クライアントとの最低限のコミュニケーションを取ること以外は一人で作業できます。あまり他者と関わらずに、もくもくと仕事をしたい方に向いているでしょう。また、納期までに一定品質以上の動画を納品すれば、いつどこで作業しても問題ありません。時間や場所を決められたくない方や、家事や育児の都合で時間や場所を決められると仕事にならない方にとっては良い働き方です。

改善の提案ができる

はじめは指示された内容通りに動画を作成することで精一杯でしょう。しかし、ある程度仕事をこなせるようになった後は、より良い動画を作るための提案ができると良いかもしれません。どの動画にも制作する目的があります。商品の売上アップなのか、採用の問い合わせアップなのか、クライアントの目的があるでしょう。その目的を最大限達成するにはどうすれば良いか?これを考えられるようになれば動画編集者として、より価値の高い人材になるでしょう。

スケジュールや体調の自己管理ができる

動画編集者だけでなくフリーランス全体に言えることですが、スケジュールや体調の自己管理が必要です。動画編集者は納期までに動画を納品すれば、どのような働き方をしても問題ありません。反対に考えると、納期までに動画を納品するすべての責任を自分で負っているのです。

たとえば、スケジュール進捗が予定より遅れても問題ありませんが、納期までに動画を納品しなければなりません。体調を崩しても問題ありませんが、同様に納期までに動画を納品しなければなりません。

納期までに納品するための管理を自分の責任でできる。これをできる人が、動画編集者に向いています。

向いていない人の特徴

時間と報酬のバランスを意識できない

クライアントからすると、納期までに一定以上の品質の動画を納品してもらえれば問題ありません。しかし、フリーランスからすれば複数の動画を納品して一定以上の売上を上げなければなりません。

納期に間に合えば良い、というスケジュールで仕事をしていると必要な売上をなかなか達成できずに、いつになっても生活は苦しいままです。仕事を詰め込みすぎてスケジュールがショートするのは問題ですが、目標とする売上とのバランスを考えて、仕事の適正時間を見積もるようにしましょう。

自らスキルを上げようとする意識がない

動画編集の世界は、ITのようにトレンドの移り変わりが激しい世界です。最新のトレンドや情報、それにスキルをキャッチアップしないとなかなか流れについていけないでしょう。ましてやフリーランスは、会社員のように研修があったり周囲から最新情報が入る環境にいません。自ら世の中の流れを掴んで、足りないスキルを認識する。そして、そのスキルを身につけるよう努力しないと、他の動画編集者にすぐに追い抜かれてしまうでしょう。

ビジネス上のコミュニケーションが取れない

動画編集者はクライアントと頻繁に顔を合わせる訳ではないため、基本的にはテキストでのコミュニケーションになります。質問されたときの返信が遅い、質問された内容に答えない、納期遅れなど問題が発生しそうなときに連絡できないのは、社会人として良くないでしょう。

テキストだけのコミュニケーションでも、社会人としての人間性は出てしまいます。仕事はあくまでも相手(クライアント)がいて成り立つことを肝に銘じましょう。

動画編集という仕事そのものに興味がない

動画編集に限らず、仕事そのものに興味がないとその仕事を続けるのは難しいでしょう。動画編集の仕事は単価が高いと言われており、中には金銭的な理由だけで動画編集の仕事を始める方もいるかもしれません。しかし、前述の通り動画編集では、細かい作業をコツコツを続けられる集中力が必要になります。他の仕事もそうですが、基本的には好きでないと続けられないでしょう。

フリーランスの動画編集者の平均年収

動画編集の仕事は需要も多く、今もなお人気が上昇している職業といえます。動画市場の持続的な成長に加え、5Gの開始や、TikTokの盛り上がりにより企業もPRのために動画市場に参入してきているのが実態です。

そんな状態であることから動画編集者が増えすぎているという懸念もあり、「最近では仕事を安く買い叩かれるのでは?」という声も出てきています。そんな中、「フリーランスとして独立してやっていけるのか?」と不安な方も多いのではないでしょうか?

単価の相場は?

1案件5000円〜10000円が相場といわれています。会社で働くのとは違い、固定給などではなく、動画編集した制作物を納品して初めて報酬が支払われます。

編集する動画の時間によっても単価が変わり、5分以内の短い動画だと3000円程度の案件もあれば、10分以上の動画だと10000円〜15000円以上になることもあります。経験やスキルによっては更に上乗せされる可能性がありますので、実績に応じて変動します。あとは月間で何本納品するかで自然と月給が決まってきます。平均すると月収15万円〜30万円の間ということが多いです。年収換算で180万円〜360万円程度といわれています。単価と制作スピードを上げることで月収50万円以上というのも可能になってきます。

フリーランスで動画編集者になる方法

動画編集者になる方法はさまざまですが、そのほとんどが独学で学ぶというパターンか、動画編集スクールに通って学ぶということが多いです。

動画編集スクール

こちらはプロの動画クリエイターから学ぶことができ、わからないことなどを聞きやすく、スキルアップがしやすい環境であるというメリットがあります。しかし、その分高額なスクールなどもあり、6ヶ月間のオンラインスクールで20万円から100万円近いというスクールもありますので、初期費用がかかるのがデメリットといえます。ただし、オンラインスクールは高額なだけで中身が伴っていないということも少なくないので、きちんと口コミや内容を把握した上で受講するようにしてください。

独学

一方で、最近ではYouTubeなどの動画で独学で学ぶという方も多くなってきました。スキルアップに時間を要してしまうことや、質問したい時にできる環境ではないというデメリットがあります。勉強費用は0円というメリットもありますが、誰でも学べるレベルというのは誰でもできる仕事でもあるのできちんと学んでおくといいかもしれません。

動画編集者としてどのレベルの仕事をしていくかによって学び方も変わってくるとは思いますが、フリーランスとして独立を目指すのであれば、ある程度の自己投資をしてしっかり学んでおくことで他の動画編集者との差別化を測ることができるかもしれません。

動画編集者の案件を獲得する方法

ここでは動画編集者としてフリーランスになったとき、どのように案件を獲得すれば良いか説明いたします。

友人・知人の伝手

案件を獲得しようにも、はじめはどうすれば良いか分からないでしょう。もし今まで構築してきた人脈の中に、動画編集の会社に勤めている人、YouTubeを運営している人などがいれば仕事を受注できないか聞いてみましょう。はじめは簡単な案件しか任せてもらえないかもしれませんが、実績作りとしては十分です。実績ができて動画編集者として信頼してもらえるようになれば、さらに単価の高い案件の紹介も受けられるでしょう。

ただし、友人・知人から仕事をもらう場合でも、無料や著しく安い単価で請けるのはよくありません。納品する動画のレベルと市場価格に合った金額で受注するようにしましょう。

クラウドソーシングサイト

友人・知人などの人脈がない場合は、クラウドソーシングサイトで実績を作るのが良いでしょう。比較的簡単な案件も多くあるため、初心者が実績を作るのに適しているでしょう。フリーランスと発注者の間をクラウドソーシングサイトが仲介するため、報酬不払いなどのリスクを下げられます。しかし、仲介手数料が必要になりその分だけ売上は下がることになります。一定程度の実績を積んだら、クラウドソーシングサイトは卒業した方が良いでしょう。

フリーランスエージェント

フリーランスエージェントでは転職エージェントのように担当者がついて、フリーランス自身の代わりに案件を探してくれたり、日程調整などをしてくれる場合もあります。一定の実績があり新しい案件や、より高単価の案件を獲得したいけど時間がない方に向けたサービスです。

ブログ・SNSからの依頼

自身のブログやSNSで実績(制作した動画)を公開していると発注者の目に止まって案件の依頼が来ることがあります。発注者は事前に実績を見られるため、求める動画レベルのアンマッチを比較的起こしづらいでしょう。ただし、実績を公開するにはそれぞれのクライアントに許可が必要です。また、ブログやSNSからの依頼は、営業活動というよりは依頼が来るのを待っている、という感覚になります。「発注者の目にとまればラッキー」くらいの感覚でいましょう。

直接営業

クライアントに直接応募するのも営業活動の一つです。制作パートナー募集のページから応募したり、お問合せフォームから応募したりすること、案件獲得につながることがあります。ただし、ただ闇雲に応募するだけでは、なかなか案件を獲得できないかもしれません。そのクライアントに応募した理由や熱意と一定以上のスキル(編集スキルだけでなくコンテンツの企画力やマーケティング力もあれば良し)の両方が兼ね備わっていないと難しいでしょう。しかし、クライアントと目指すべき方向が同じでスキルも伴っている場合には、長いお付き合いになる可能性もあります。

フリーランスの動画編集者に必要なスキルとは

動画編集のスキルでまず身につけておきたい基本スキルは「カット編集」「テロップの挿入」「効果音・BGMの挿入」この3つが挙げられます。これらの基本スキルを身につけておくだけでも、動画編集の仕事をもらうことが可能で、動画編集が未経験という方はまずはこの3つのスキルを習得すると仕事に繋がります。

カット編集

カット編集は動画素材の中から、不要な部分を削除し、必要な部分だけを抜き出して繋ぎ合わせる編集スキルのことをいいます。カット編集一つをとっても複数の手法があり、誰でもできる分、奥が深く、いろんな手法を駆使して編集できる方が当然視聴者が見やすい動画を作ることが可能です。

テロップの挿入

テロップ挿入とはYouTubeなどで映し出される文字やイラストなどの総称のことで、テロップの挿入についてもさまざまな方法があるので、いくつか紹介していきます。

ストローク(境界線)

文字の周辺にさらに大きな文字を重ねて行うスタイルで、デザイン性が豊かになり、華やかな印象を与えるテロップに仕上げることができます。

テロップベース

文字の下にベースをつけるスタイルで、ストロークの様に背景の動画とテロップが重なってしまい、読みづらいといったことを防ぐことができます。

アニメーション

テロップの文字をアニメーションさせるスタイルのことで、テロップ文字をポップアップしたり、動きをつけながら出現させたりすと、そのテロップの注目度を上げることができます。

効果音・BGMの挿入

これは動画に効果音やBGMを挿入するスキルのことで、効果音を入れるタイミングや、選ぶ効果音によって動画の完成度がグッと高まります。効果音やBGMはフリー素材のものから選ぶと著作権の問題もクリアできます。使用が限られている音源などもあるので、選ぶ際には注意が必要です。

まとめ

フリーランスの動画編集者としての働き方や仕事内容について紹介してきました。初心者や未経験者でもまだまだ参入の余地があり、スキル次第では大きく稼ぐことや、フリーランスとして独立した働き方ができるのが魅力の職業です。独学で学ぶも良し、動画編集スクールやオンラインスクールで学んで早期にスキルアップをしてみるのも良いでしょう。今後も伸長が期待できる動画市場でスキルを身につけてみてはいかがでしょうか?

投稿者プロフィール

廣石健悟
廣石健悟
12年の会社員経験(メーカーの機械設計など)を経てフリーライターになりました。会社員の良さ、フリーランスの良さそれぞれを実際に体験しています。記事執筆の他にインタビュー、取材(写真撮影含む)もできます。

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