文章が書ければすぐにはじめられて、時間と場所にとらわれずに仕事ができる……。
Webライターの仕事をそのように思っている方が多いのではないでしょうか?
この記事ではWebライターの現実をお伝えします。Webライターとしてフリーランスになりたい方や、副業でWebライターをはじめてみたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
Webライターってどんな仕事?
Webライターとは広義ではWeb上の文章を書く仕事のこと。情報提供を目的とするSEO記事や取材・インタービュー記事、ランディングページ(LP)や企業のSNS運用など、インターネット上にあるあらゆる文章を書くのがWebライターの仕事だと言っても過言ではないでしょう。また、読み物だけでなくマーケティングに使われるコピーの執筆もWebライター(コピーライター)の仕事です。
「Webライター」と「紙媒体ライター(記者)」との違いはあるのか
Webライターの特徴
Webライターが書く記事は、あくまでもインターネット上のコンテンツです。無料でアクセスでき、普段から書籍や新聞を読まない人でも読みやすくなっています。そのため、結論を先に書く、簡単で簡潔な言い回しを使う、難しい言葉や漢字を使わないなど、一定程度レベルを下げた文章が求められます。
紙媒体ライター(記者)の特徴
紙媒体ライター(記者)の仕事は、書籍や雑誌、新聞など紙媒体のコンテンツを作ること。普段から文章に慣れ親しんでいる方が読むため、多少長い文章や難しい言い回しがあってもきちんと読んでくれます。それに紙媒体は有料の場合がほとんどであるため、そもそも読者が読む気になった状態で手に取ってくれるのが特徴です。
Webライターのリアルな収入とは
特に初心者向けのWebライターの案件では執筆文字数によって単価が決まります(文字単価)。しかし、これははじめのうちだけで、専門性が高い記事や取材・インタビューを伴う記事になれば紙媒体と同様に記事単価になります。
気になるWebライターの収入はどの程度でしょうか?フリーランス協会のレポート(※1)によると、表1のようになっていました。
表1.Webライターの時給単価と想定月収
時給単価(円) | 月収(1日8時間、月20日稼働) | 割合(%) |
1千円未満 | 16万円未満 | 6.0 |
1千〜2千円未満 | 16万〜32万円未満 | 17.9 |
2千〜3千円未満 | 32万〜48万円未満 | 28.6 |
3千〜4千円未満 | 48万〜64万円未満 | 29.8 |
4千〜5千円未満 | 64万〜80万円未満 | 3.6 |
5千〜6千円未満 | 80万〜96万円未満 | 11.9 |
6千〜7千円未満 | 96万〜112万円未満 | 0.0 |
7千〜1万円未満 | 112万〜160万円未満 | 1.2 |
1万円以上 | 160万円以上 | 1.2 |
※1:フリーランス協会「フリーランス白書2023」
※1で報告されていたのは、収入を労働時間で割って算出した時給単価。それを1日8時間、月20日稼働という条件で想定月収を計算しました。
ボリュームゾーンは月収32万〜48万円未満と、48万〜64万円未満です。こうして見るとWebライターは平均的な会社員の月給以上に稼げそうに思いますが、はじめは0.5〜1円と文字単価も安いため、未経験からボリュームゾーンに到達するには相応な努力が必要となります。
フリーランスWebライターのメリット・デメリット
メリット
Webライターのメリットは記事を書けば書くほど収入が増えます。また、フリーランスは労働基準法の適用外となるため、労働時間を管理されません。そのため、時間をどのように使うかはその人の自由なのです。
働く場所も自由に決められます。取材やインタビューは相手がいることなので自由ではありませんが、リサーチや執筆は好きな場所でできます。おおむね働き方は自由です。
デメリット
納期は記事(案件)によってさまざま。1か月以上先の記事もあれば3日後の記事もあります。スケジュールの策定と管理ができないと、納期が重なって執筆の時間が取れなかったり、反対に仕事がなくて暇になったりするでしょう。また、高い単価につられて受注すると「全然知らない分野でリサーチに時間がかかりすぎる」ということもあります。時間は有限であるため、時給単価はいくらか、1日でいくら稼げる記事なのかを気にしましょう。
Webライターの仕事はどこで見つける?
Webライターの仕事の探し方はいくつかあります。
クラウドソーシング
初心者が初めての案件を探すならクラウドソーシング一択かもしれません。知人から案件を受注できる場合は別ですが、初心者向けの案件があり、クライアントとの間に入って請求を管理してくれるクラウドソーシングを有効に使いましょう。サービスの利用には会員登録が必要です。
ただし、文字単価1円以下など単価が低い案件が多かったり、手数料が必要だったりするため、初心者としての実績作りができたら、すぐに別の方法で案件を受注する方が良いかもしれません。
SNS
クラウドソーシングより多少高い単価の案件があり、手数料も必要ないというメリットがあります。ただし、中には契約書を結ばなかったり、記事を納品しても報酬を支払わない発注者もいるため注意が必要です。はじめの1件は単価の低い案件を受注して、最悪記事を持ち逃げされてもダメージが小さいようにしておいてもいいかもしれません。
企業への直接営業
メディアサイトやメディアを運営するコーポレートサイトを見ているとライター募集のページがあります。そういったメディアへ応募することで案件を受注できます(大抵はテストライティングあり)。また、ライター募集のページがなくても、問い合わせページから応募する方法もあります。
知人からの紹介
Webライターとして一番信用されているのは知人からの紹介でしょう。あなたの人柄や仕事ぶりを分かった上で依頼してくるためです。しかし、知人からの紹介案件の場合断りづらい、単価交渉をしづらいというデメリットもあります。
他の職種に比べて比較的未経験でも案件を獲得しやすい
Webライターは未経験でも比較的案件を受注しやすい特徴があります。例えば、デザイナーであればデザインソフトとスキル、動画編集であれば動画編集ソフトとスキルが必要ですが、Webライターは文章が書けてPCにインストールされている文書作成ソフトがあれば、誰でも案件を受注できます。
不安なら副業ライターから始めるかブログをはじめてみる
いきなりWebライターとして独立するのはおすすめしません。まずは副業から始めてみて、どの程度の稼働時間でどの程度の収入を得られるか試してみましょう。それを、本業の稼働時間にしたときに、想定収入が計算できます。ただし、副業で少しの時間だけやるのと、本業でずっとやるのでは後者の方が効率は落ちると思ったほうがいいでしょう。
そもそも文章を書くことに慣れてない場合はブログからはじめましょう。案件を受注できなくても書けて、自分の好きな内容・好きな量を書けます。
フリーランスWebライターとして単価を上げるには
文章力を上げる
基本中の基本であり、どれほど上達しても終わりがないのが文章力。はじめは読みやすさや分かりやすさを重視した文章でも、一定程度以上になれば心が動く文章や行動を起こしたくなる文章など、文章が機能を持つようになります。
執筆スピードを上げる
執筆スピード=タイピングスピードと思っているかもしれませんが、実はそうではありません。Webライターの仕事で一番大切なのはリサーチ、あるいは取材やインタビューです。いくらタイピングが速くても、素材がしっかり揃っていないと文章を速く書けません。
語学力や専門分野などの知識を高める
美容や金融、医療や法律など専門的な知識や資格があればおのずと単価は高くなります。また、資格は不要でもIT系や先進技術など需要の高い分野があります。そういった分野の知識をつけたり、英語など語学力を付けることでも単価を上げられるでしょう。
Webライターとして活躍するには様々な知識が必要
Webライターとして活躍するにはただ文章を書ける力だけでなく、検索意図を汲み取るなどSEOの知識が必要となります。また、近年では文章生成AIが登場し、単純で専門性の低いSEO記事はAIに淘汰されるといわれています。そうなると、人間が書く記事は専門性の高い記事や取材・インタビューが必要な記事となるでしょう。
投稿者プロフィール
- 12年の会社員経験(メーカーの機械設計など)を経てフリーライターになりました。会社員の良さ、フリーランスの良さそれぞれを実際に体験しています。記事執筆の他にインタビュー、取材(写真撮影含む)もできます。
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