フリーランスの請求書メールとは?クライアントに送付する際の注意点やトラブルなどを紹介します

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フリーランスになると、請求書を発行しクライアントに送る必要があります。しかし、一から作成するとなると、何のツールを使いどんな項目が必要なのか、またメールで送付することが可能なのかなど、正しい手順が分からず頭を抱えてしまう人は多いです。

請求書自体は慣れてしまえば簡単に作成することができるため、作成する上でのポイントを押さえておくとクライアントともスムーズにやり取りできるので、チェックしておきましょう。

そこで今回は、フリーランスになると必要になる請求書の項目やポイントをはじめ、メールで請求書を送付する際に知っておきたい注意点などを紹介します。これからフリーランスとして活動を考えている方や、実際に請求書を作成しなければいけない方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

請求書はメールで送信できる?

請求書をメールで送付することは可能です。しかし、フリーランスとして活動する場合、請求方法は予めクライアントに確認しておくことをおすすめします。デジタルでのやり取りが一般的になりつつありますが、クライアントによっては、請求方法や提出方法、期日や記載してほしい項目などを指定するケースがあります。納品を終え、ホッとしてしまいがちですが、先方から指定されている請求書をしっかりと作成し、クライアントに提出するまで気を抜かないように注意してください。

請求書にフリーランスが入れるべき項目は?

では、請求書の指定がなかった場合、どのようなフォーマットで請求書を作成するべきか悩んでしまう人もいるでしょう。ここでは、請求書に入れるべき項目について、解説していきます。

1. 請求書の宛名

請求書を作成する際、クライアントの名前を確認することから始めましょう。

具体的には

クライアントの正しい企業名

取引している事業部名

窓口として対応してくれている担当者名

など、必要な情報を整理し、記載します。

まれに、取引している企業や担当者名と、振込対応をする企業が異なるケースがあります。そのような場合は、クライアント側から社名を指定されることが多いので、指定された内容に沿って誤りがないように注意しましょう。特に、請求書の宛名が間違っていると、振込予定日がずれ込んでしまうケースも多々あります。内容に不備がないことを確認するようにしてください。

2. 請求内容

クライアントと契約した仕事内容、取り引きした期間、商品名、金額などを記載します。仕事内容によっては、数量を記載することが大切です。また、クライアントから指定された項目や書き方がある場合には、各社の指示に従い明確にしながら作成しましょう。

3. 消費税

請求ソフトなどを使用するとわかりやすいですが、消費税も明記しましょう。仕事内容によっては、軽減税率の対象になる物とならない物があります。8%と10%の使い分けを行い、それぞれの消費税額が一目で分かるようにしておきましょう。

4. 発行した日

請求書を発行した日を記載します。クライアントによって、発行日を指定される可能性があるため、請求書の作成日で問題ないのか、事前に確認することをおすすめします。

5. 支払の期日

クライアントとの契約で決めている支払の期日を記載します。こちらも不手際が発生しないように、事前に確認しておきましょう。

6. 発行者

仕事で使用しているワーカーネーム、もしくは自身の本名を記載しましょう。

7. 振込先

クライアントに振り込んでもらうための振込先をしっかり明記します。必要な情報には、銀行名、支店名、当座・普通などの口座の種類、口座の名義、口座番号があります。一つでも間違いがある場合には、指定日に振り込まれず、次月の支払いとなる可能性もあるため、正確に記載しましょう。ちなみに、振込手数料はクライアントが負担してくれるケースが多いです。必要な場合には、その旨も記載しておいてください。

8. その他

特記事項や請求書番号は必要に応じて記載しましょう。クライアントによっては、特別な条件を指定するケースがあります。必要に応じて対応してください。

請求書をメールで送信したときのメリット・デメリット

次に、請求書をメールで送信したときのメリット・デメリットを紹介します。

メリット:手間やコスト削減

請求書をメールでやり取りできるため、従来紙の請求書を作成する際にかかっていたコストを削減することに役立ちます。例えば、紙に印刷するため印刷用の紙やインク代、郵送にかかる郵送代や封筒代も必要なくなります。手配するための手間を省けるのも嬉しいポイントです。請求書を紙による書面で送らずに済むので、印刷をする作業時間や封筒に必要な書類を入れる手間を省き他の仕事に時間を利用することができます。さらに、万が一請求書に不備があった場合に、修正したり途中で保存する時間を作れます。再送するのにもワンクリックで済ませられるのはメリットといえるでしょう。メールでやり取りをしていれば、何か内容をチェックしたい時に、内容を引っ張り出してきやすいのもメリットといえます。管理のしやすさやワンクリックでやり取りが完結すること、業務が効率化でき他の仕事に集中できるなどメリットを感じる人は多いでしょう。

デメリット:リスクが伴う

メリットが多い反面、請求書をメールで送信したときのデメリットもあります。まず、メールでやり取りする場合、宛先を間違ってしまうリスクが高いため、情報漏洩に気を付ける必要があります。個人情報や企業秘密にしたい内容を含む可能性があるため、リスクを把握したうえで、メールでのやり取りを選択しましょう。また、請求書を電子データで管理する場合には、新たなシステムを導入する必要があり、運用費用が発生する場合があります。さらに、クライアントによっては、紙での請求書を希望するケースもあるため、一定のリスクは承知の上で、取り入れてみてはいかがでしょうか。

メール対応でよくあるトラブル

ここでは取引先とメールでやり取りしている中で生じたトラブルについて紹介します。メール対応で不備があった場合に、顧客の信頼を失ったり、顧客エンゲージメントを低下させてしまうリスクがあります。事例として、把握しておきましょう。

返答の遅延

メールでやり取りをする場合に懸念するのが、取引先との対応スピードの認識です。フリーランスは労働者として1人でやらなければならないことが多いため、請求書の送付などはタスクの中にあっても後回しにしてしまいがちです。一方で、取引先であるクライアントはスピード感のある対応を期待していて、スピード感の違いによる信用損失を生みやすくなります。メールでの対応は、双方にとって不要な説明を省き利便性がいいものです。変に心象を下げないように、期日がある場合には、期日当日ではなく前もって遂行できるようにしておくと、メールでもミスコミュニケーションが発生しにくくなるでしょう。

メールの内容が汲み取りづらい

請求書をメールでのやり取りをする場合には、請求書を添付するだけでは終わりません。取引先であるクライアントは、メールの文脈や内容にも目を通しています。社会人としてのマナーや分かりやすい内容を意識してメールを作成しないと、せっかく築き上げてきた信頼を失ってしまう可能性があります。メールの文章に自信がない方は、事前に電話や直接会ったときに大事な内容を話すように心掛け、メールでは最低限の内容で済むようになど工夫をしましょう。

メールを誤送信してしまう

デメリットでも紹介したように、メールをコンタクトツールとして使う場合には宛先の間違いなど不正な情報漏洩を行わないように注意しましょう。情報漏洩は「間違えました」では済まされません。内容によっては、賠償金などを請求される恐れもあるため、メールの誤送信がないように、ダブルチェックなどを行うようにしましょう。

大切なメールを見落としてしまう

請求書以外でも、メールでのやりとりが多い人は特に大切なメールを見落としてしまいやすい状況といえるでしょう。さらに、業務に関する内容以外にも迷惑メールが多く届いてしまう場合には、メールをさばききれないこともあります。メールに記載してある期日や大切な内容を見落とさないように、メールBOXの管理や一日の中でも何度かメールをチェックするルールを設けるなど、時間を調整して継続してメールチェックタイムを設けるようにしましょう。どんなに複数人で共有しようとしても、クライアントが全員返信をしてくれるとは限りませんが、外部とのメールのやり取りに関しては個人で管理せずに、担当チームを必ずccを入れるなど、複数の関係者に共有するようにするのもおすすめです。

添付のデータが大きすぎる

請求書含め、添付しているデータが大きすぎるとサーバが受信できずにエラーが発生している可能性があります。データの容量をコンパクトにできるサイトなどもあるため、適宜使用しながら受信エラーを発生させないようにしましょう。

請求書をメールで送信する際の注意点は?

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メリットとデメリットを整理しても、請求書をメールで送信するのは便利だといえます。しかし、実際にクライアントとやり取りする場合には、気を付けなければならないことがいくつかあります。ここでは請求書をメールで送る際の注意点を紹介します。

クライアントに事前確認

請求書をメールで送信する際は、クライアントに請求書の提出方法を事前に確認しましょう。せっかく時間をかけて請求書を作成したのに、請求書のメール送付は対応しておらず、別の提出方法を指定されたり、入力してほしい項目が含まれていない等で、再提出を求められることは避けたいです。先方と認識の齟齬が発生しないように、請求書を作成するまえに把握している請求書の提出方法などが合っているか、確認しておくことをおすすめします。

請求書のデータ形式はPDFで送付

請求書のデータに関しては、一般的にWordやExcelで作成することが多いです。しかし、クライアントにメールで送る際は、データ形式をPDFに変換しておくことをおすすめします。

WordやExcelはデータの修正が容易であるため、数式が崩れたり、ファイルを開くタイミングでデータを意図せず変更してしまうリスクがあります。また、取引上大切なデータとなるため、第三者に簡単に閲覧されないよう、送付するデータにパスワードを設定しておくのもいいでしょう。漏洩リスクを下げるためにも、請求書とパスワードを記載したメールを別々に送信するのが効果的なので、ぜひ参考にしてみてください。

請求書に不備がないか最終チェック

クライアントに請求書を提出する前に、内容に不備がないか最終チェックを必ず行いましょう。例えば、

  • 先方から指定されている記入事項に抜け漏れはないか
  • 誤字や脱字など、無駄な記載はないか
  • 金額が誤っていないか、漏れはないか
  • 消費税の税込・税別を使い分けられているか
  • クライアント名に誤りはないか
  • 振込先に不備はないか
  • メール以外の方法を指定されていない?

細かい部分にはなりますが、先方が求めている請求書を作成しなければ意味がありません。これを記載しておけば大丈夫だろうと自己満足せず、改めてWチェックを行う習慣をつけておきましょう。

次の依頼につながる請求書メール

請求書を送る場合、同じ用件のメールであっても、次の依頼につながるような請求書のメール文があれば、知りたいと思いませんか?次の依頼につながる請求書メールを作りたい場合に、一番重要となるのが「相手の立場に立って文を記載する」ことです。ここではいくつかのポイントを紹介します。

簡潔なメール文

例えば、自分がメールを受け取った際、長文で結論何が言いたいのか分からないメールだと、読むのに抵抗を覚えてしまいます。取引などのビジネスシーンでも同様です。できる限り、誰が見ても分かりやすい内容であることを意識して、簡潔なメール文にまとめましょう。できる工夫としてはメールの件名です。冒頭に【依頼】なのか【確認】してほしいことなのか、加えておくだけでも、メールを読む心構えが変わるので、おすすめです。さらに、メールの最後にはお仕事を一緒にできたことへの感謝を伝えるとともに、次の仕事に繋がるようにアピールも加えてみましょう。この際、自分の仕事のアピールばかりではなく、クライアントのニーズにあった提案を自然に入れ込むのがポイントになります。何か印象に残すことができれば、別の仕事の案内を頂けるかもしれません。

メールでの署名は数種類用意しておく

対面で会話しているのと比べると、メールでのコミュニケーションは、どうしても認識の齟齬がうまれやすくトラブルに繋がるリスクがあります。そのため、メールの最後には自分の情報が分かるような名刺署名を概要として記載しておくことをおすすめします。

定番署名

まずは、名刺に記載しているようなテンプレート署名を用意しましょう。下記のような内容を参考にしてみてください。

【例:定番署名】

・会社名(株式会社、会社ロゴ)

・部署・役職・職種

・顔写真

・氏名

・住所

・電話番号(会社の固定電話)

・電話番号(会社携帯)

・会社メールアドレス

・企業ウェブサイトURL、QRコード

・SNSアカウント

・営業時間

・定休日

・持っている資格やスキル、実績

必要に応じて、サービス内容やサービス提供の価格表などをすぐに見れるようなサイトを添付しておくのもいいでしょう。この署名を記載しているだけで、次の依頼に繋げることができるかもしれません。業務効率化やエンゲージメント向上を目指して、こういった署名も用意しておきましょう。

簡略署名①

定番署名とは別に、簡易的なやりとりで使用するメール署名も用意しておくといいでしょう。定番署名は、情報がたくさん盛り込んでいるため、短いメールでのやりとりの場合には、全体バランスが悪く、くどい印象を持たれてしまう可能性があります。また、律儀にすべての情報を毎回さらす必要もないため、最小限にとどめた署名を用意しておきましょう。下記のような内容を参考にしてみてください。

【例:簡略署名①】

・会社名(会社ロゴ)

・部署・役職・職種

・氏名

・電話番号(会社携帯)

・会社メールアドレス

・企業ウェブサイトURL、QRコード

・SNSアカウント

定番署名との大きな違いは、会社の住所を記載していない点です。定番署名を一度はやり取りしているため、信頼関係が構築できていることもあり、省いている状態です。もしも気になってしまう方は、住所を盛り込むか、主に活動している拠点を明記するのもいいでしょう。例えば、都道府県や市区町村を記載しておくと、受け取った相手もイメージしやすくなります。

簡略署名②

SNS運営やプログラマー、Webライターなどのフリーランスの場合には連絡方法を一つに絞りたいケースもあるでしょう。その場合には、携帯電話、メールアドレス、SNSアカウントのいずれかを記載しておくと、相手も連絡に迷わずに済むかもしれません。最小限の情報でやり取りしたい場合には、以下のような署名もおすすめです。

【例:簡略署名②】

・氏名

・部署・役職・職種

・会社メールアドレス

・SNSアカウント(プロフィール)

ファンがつくような職種の方は、特にストーカー被害にも遭いやすいので情報は絞った方が良いでしょう。マネージャーがいる場合は、あなたへの連絡手段を掲載する必要はありませんが、いない場合はメインで使うものと別のメールアドレスを用意しておくと良いでしょう。

また、ウェブサイト内に「お問い合わせページ」をつくるという方法もあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、フリーランスになると必要になる請求書の項目やポイントをはじめ、メールで請求書を送付する際に知っておきたい注意点などを紹介してきました。請求書を作るうえでポイントになるのは、相手を思いやった構成や文章です。できる限り、誰が見ても分かりやすい内容であることを意識して、簡潔な請求書メールを作ることを意識してみてください。さらに、メールではコミュニケーションの限界があることは認識しておきましょう。メールの見落としや返答の遅延などの初歩的なミスが起きないように、複数人でメールの内容をシェアするようにしたり、メールBOXの管理や一日の中でもなんどかメールをチェックする時間を設けるようにしましょう。今回は次の依頼につながる請求書メールの内容として、心掛けたいことや署名の参考例を紹介しています。クライアントと気持ちのいい取り引きができるように、参考の一つとして検討してみてください。

投稿者プロフィール

松田勇
私は10年以上にわたり、デザイナーとしてのキャリアを積んできたフリーランスデザイナーです。デザインの魔法に魅了され、クリエイティブなアイデアを実現することが私の情熱です。
さまざまなデザインプロジェクトに携わり、ロゴ、ウェブ、印刷物、パッケージなど、多岐にわたる分野での経験を積んでいます。美しさと実用性を融合させ、クライアントのビジョンを実現するお手伝いを心から楽しんでいます。
クライアントとの協力を大切にし、オープンなコミュニケーションを通じて共にプロジェクトを築き上げます。納期を守り、高品質な成果物を提供することをお約束します。
私のデザインはビジネスに魅力を与え、ブランドを輝かせます。クリエイティブなアプローチと柔軟性を大切にし、クライアントの期待をいつも超えることを目指しています。一緒に素晴らしいプロジェクトを実現しましょう。

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