フリーランスは「住民税」という税金を自分で支払う必要があります。
とは言っても今まで会社員だった方は給与から天引きされていたので、住民税はどうやって支払うのか、いくらかかっているのかきちんと把握していない方が多いでしょう。
この記事では住民税の基本や、実際にフリーランスの住民税支払いに関係する部分を解説します。
あわせて住民税を節税する方法についても解説するので、この記事を読めば住民税がなんなのかわかるだけでなく、お得に住民税を支払えるようになるでしょう。
目次
一般的に住民税とはどんな税か
住民税は毎年発生する、都道府県と市区町村に払う税金のことです。
金額は所得税と同様に前年の所得に応じて決まるので、所得税の確定申告を行うと同時に住民税の金額も決まります。
住民税は主に行政サービスをまかなうために活用されており、一定の所得を超える人には等しく支払いの義務が生じるので覚えておきましょう。
なおフリーランス・個人事業主のように自分で住民税を支払う方法を「普通徴収」と呼びます。
フリーランスが知るべき住民税について
フリーランスは基本的に住民税の支払い義務があります。
給与から天引きされている会社員などとは異なり、自分で納付する必要があるので注意が必要です。
知っておきたいいくつかのポイントについて見ていきましょう。
住民税は所得が45万円以下の場合免除になる
住民税は所得が45万円以下の場合非課税となるため、支払いが免除されます。
収入ではなく所得で決まるため、このあと「知っておくとお得なフリーランスの節税方法」で解説する経費や控除を引いた後、残った金額が45万円以下であれば免除対象となるので覚えておきましょう。
金額は前年所得の10%+4,000円
住民税の金額は、前年の所得の10% + 4,000円と定められています。
10%は所得に対する税金である「所得割」で、4,000円は自治体へ住んでいることに対する税金である「均等割」です。
所得に応じた累進課税となっている「所得税」とは異なり、所得額に対して一定の割合に設定されています。
収入が少なかった年でも、同じ割合の住民税がかかるので注意しましょう。
6月に「住民税の決定通知書」が届く
6月になると、住民税金額が記載された「住民税の決定通知書」が居住地に届きます。
2~3月に行った確定申告の内容をもとに、自治体が住民税額を計算して通知書を作成、送付しています。
同封された「納付書」を使って住民税の支払いをするので覚えておきましょう。
支払いは一括払いか4回の分割払い
フリーランスは6月に届く納付書を使った、普通徴収の方法で支払いを行います。
支払いは6月末に一括で支払うか、年4回の分割払いをするかの2択の方法を選択可能です。
一括で支払った場合でも、割引などの制度は用意されていません。
分割払いを選択した場合は、6月末、8月末、10月末、翌年1月末の4回に分けて支払います。
どちらを選択した場合でも、滞納した場合は延滞金が課されるので注意してください。
金融機関の窓口はもちろん、コンビニや口座振替の方法でも支払いができるため、自分が楽な方法を選びましょう。
会社員からフリーランスになった人は要注意
会社員を退職してフリーランスになった場合、退職する時期によって住民税が普通徴収に切り替わり、自分で支払わなければいけなくなるタイミングが変わります。
以下のようにタイミングが変化するので、退職を検討している方はしっかり押さえておきましょう。
退職時期 | 徴収方法 |
1月~4月 | ・退職月~5月分は一括徴収される・以降は普通徴収に切り替わる |
5月 | ・5月分は給与から徴収される ・以降は普通徴収に切り替わる |
6月~12月 | ・普通徴収に切り替わる ・6月~翌年5月分を一括徴収してもらう方法もある |
退職が6月を過ぎていた場合にはすでに住民税額が確定しているので、所属していた会社に一括徴収してもらう方法が選択できます。
5月以前だった場合には5月分までを会社に徴収され、以降は自分で支払う必要があるので注意しましょう。
知っておくとお得なフリーランスの節税方法
フリーランスの「所得税」と「住民税」の金額を決める「所得」は以下の3つにより減らすことができるため、知っておくと節税ができます。
- 経費
- 控除
- 青色申告
それぞれ見ていきましょう。
経費
フリーランスは仕入れや事務用品などの費用はもちろん、家賃・光熱費の一部なども経費計上できます。
経費計上した分だけ所得を減らし節税ができるので、どんなものが経費になるか押さえておきましょう。
フリーランスが経費にできるのは主に以下のようなものです。
- パソコン・ソフトウェアの購入費用(10万円以下)
- 携帯代金の一部
- インターネット・プロバイダ料金の一部
- 家賃の一部(賃貸の場合)
- 水道光熱費の一部
- カフェ等での打ち合わせ費用
- カフェ等のコーヒー代
- 業務に関する交通費
- 事業に関する広告費
- ホームページのサーバー代
- 事業の関係者との食事・接待費
- 事業に関係する本や新聞の購入費
意外と知らない人が多いですが、賃貸の場合の家賃の一部や、カフェで仕事をした場合のコーヒー代などは経費にできます。
できるだけ領収書をとっておき、経費にできそうなものはどんどん計上して賢く節税しましょう。
控除
会社員で経験している方も多いと思いますが、フリーランスの場合もさまざまな控除を使い、所得を減らすことができます。
主に以下のような控除があるので、使えるものがあれば積極的に使って所得を減らしましょう。
控除名 | 内容 |
基礎控除 | 誰でも受けられる48万円の控除 |
配偶者控除 | 収入103万円以下の配偶者がいる場合、所得に応じて受けられる13~38万円の控除 |
配偶者特別控除 | 収入103万~141万の配偶者がいる場合、配偶者の収入によって受けられる3~38万円の控除 |
扶養控除 | 16歳以上の扶養家族がいる場合に受けられる38~63万円の控除 |
医療費控除 | 年間の医療費支払いのうち10万円または所得の5%を超えた分を控除 |
社会保険料控除 | 健康保険や年金への支払額の全額を控除 |
生命保険料控除 | 生命保険や個人年金への支払額のうち一定額を上限として控除 |
地震保険料控除 | 地震保険への支払額のうち一定額を上限として控除 |
小規模企業共済等掛金控除 | 小規模企業共済や個人型確定拠出年金への支払額の全額を控除 |
雑損控除 | 災害や盗難などがあった場合の被害額に応じて受けられる控除 |
このほか株式の配当金などは直接税金控除の対象になります。
控除はしっかり押さえて、できるだけ節税しましょう。
青色申告
フリーランスは事前に「青色申告承認申請書」を届け出たうえ、「複式簿記」による帳簿付けをしていれば「青色申告特別控除」を受けられます。
青色申告特別控除の控除金額は65万円となっており、普通に確定申告を行った場合の「白色申告」の55万円よりも10万円も控除額が大きいです。
簿記知識がないと紙の帳簿付けは難しいですが、安価なクラウド会計ソフトで簡単にできます。
控除額が大きいので、面倒だと思わずにしっかり行って節税しましょう。
まとめ
この記事で解説した住民税についてまとめました。
- 住民税は毎年発生する、都道府県と市区町村に払う税金
- 所得が45万円以下の場合は免除になる
- 金額は前年所得の10%+4,000円
- 支払いは6月末の一括払いか6月末~1月末の4回分割払い
- 経費、控除、青色申告を駆使して節税ができる
所得が45万円を超えるフリーランスは住民税の支払い義務があります。
未払いが続くとは延滞金が発生するので、必ず期限内に支払いましょう。
経費や控除をしっかり活用して、ぜひ上手に節税してみてください。
メタ
フリーランスは住民税という税金を自分で支払う必要があります。とはいえ住民税はどうやって支払うのか、いくらかかるのか正しく把握していない方は少なくないでしょう。この記事では住民税の基本や、実際にフリーランスの住民税支払いに関係する部分、住民税の節税方法を解説します。
投稿者プロフィール
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私は10年以上にわたり、デザイナーとしてのキャリアを積んできたフリーランスデザイナーです。デザインの魔法に魅了され、クリエイティブなアイデアを実現することが私の情熱です。
さまざまなデザインプロジェクトに携わり、ロゴ、ウェブ、印刷物、パッケージなど、多岐にわたる分野での経験を積んでいます。美しさと実用性を融合させ、クライアントのビジョンを実現するお手伝いを心から楽しんでいます。
クライアントとの協力を大切にし、オープンなコミュニケーションを通じて共にプロジェクトを築き上げます。納期を守り、高品質な成果物を提供することをお約束します。
私のデザインはビジネスに魅力を与え、ブランドを輝かせます。クリエイティブなアプローチと柔軟性を大切にし、クライアントの期待をいつも超えることを目指しています。一緒に素晴らしいプロジェクトを実現しましょう。
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