フリーランスに仕事用のメールアドレスは必要?決め方や経費管理との関係についても紹介

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みなさんは普段仕事をするときにメールでやり取りをすることはありますか?フリーランスになると自分から営業をかけたり、クライアントと連絡をとることが多くなります。そういったときに使うメールアドレス。まさか、これまで使っていたフリーアドレスをそのまま使っているっていう人いませんか。別に構わないじゃないかと思うそこのあなた。もしかしたら気づかないうちに損をしているかもしれません。

 今回は、フリーランスとして仕事を頑張っているあなたが損をしないようなフリーランスのメールアドレスの決め方と考え方を解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

フリーランスに仕事用のメールアドレスが必要な理由

 結論から言うとフリーランスとして仕事をしていく上では、個人的なメールアドレスを使わずに業務用のメールアドレスを取得して利用していく方が良いです。

 私も実は個人用のフリーメールアドレスを使用していました。個人的な感想ですが、まず重要なメールを見落としていないか不安になります。複数のクライアントと業務提携をしていると密に連絡をとる必要も出てきます。重要なメールが埋もれてしまわないようにするためにも個人用と業務用を分けて管理する方が良いでしょう。

フリーアドレスは印象が良くない?

 フリーランス初心者の方が良く疑問に浮かぶフリーアドレスについて様々な考え方があります。フリーアドレスというのは「Gmail」「yahooメール」などで使えるメールアプリで取得したアドレスのことです。無料で使用できるという利点もある一方で、必要なところでお金をかけていないという印象を与えてしまう可能性もあります。無料のアカウントであるため、パスワード管理の意識が低いと思われるとどうでしょう。

 有料が全て安心というのも言い過ぎかもしれませんが、仕事を任せる側からすると使い捨てアドレスを使っているのではないかと感じてしまう可能性もあります。例えば、yahooのメールアドレスを使用している方はご存じかもしれませんが、メールアドレスにはアドレスを管理しているアドレス帳があり、もしパスワードが漏れてしまうと、そのアドレス帳も流出してしまう可能性もあります。

 個人情報の管理という点では、流出してしまうと迷惑メールが届くようになってしまうリスクもあるでしょう。

 

独自ドメインの取得がおすすめ

 まず、ドメインって何?と疑問に思った方もおられるでしょう。ドメインとは簡単に表現するとインターネット上に割り当てられる住所のようなものです。その中で、自分の好きな文字列を使った他の人が使うことのできない世界で1つだけの住所が独自ドメインです。ネット世界に住所ができるなんてなんだかワクワクしてきますね。

 では、独自ドメインを取得するとどんな良いことがあるのでしょうか。以下のようなことが挙げられます。

クライアントからの信用度が上がる

 フリーランスが独自ドメインを取得すると、企業やクライアントからの信用度が上がります。そうすると仕事を受注する上でも有利になること間違いなしです。独自ドメインを取得するにはいくらか費用がかかるものの、プロとして仕事を展開している印象を持ってもらえます。

SEOの観点から有利

 独自ドメインがSEOに有利な理由は、Googleが基本的に「ユーザーファースト」

と優先しているからであると言われています。

 独自ドメインは会社名や店名、サービス名に関連したドメインが取得可能であるため、ユーザーが分かりやすいドメインにしていくことで、Googleの評価が上がる可能性があるのです(独自ドメインとは?SEO対策で有利と言われているワケ | 記事作成代行Pro|SEO対策記事で業界最安値! (article-pro.com))。

 また、無料のドメインを使用してホームページを運用している場合、レンタルサーバーやブログサービスが閉鎖してしまうことで、自分のホームページが消えてしまうリスクもあるため注意が必要です。

一方で、デメリットもあります。フリーアドレスは無料でしたが、独自ドメインは有料となります。また、更新制ですので、ドメインを作ったら終わりではありません。更新ができないと所有権がなくなりますので自動更新設定で対策をしておくと安心です。

フリーランスのメールアドレスの決め方とは

メールアドレスの構成について

 意外とメールアドレスの構成を考えたことはないかもしれません。ただ、独自ドメインを決めて行くうえでヒントになりますので、簡単に解説します。

 例えば以下のようなアドレスがあったとします。

 (例)〇〇〇〇〇〇@△△△.com

@よりも前の〇〇〇〇〇〇の部分を「ローカル」といいます。一方、@よりも後の部分を「ドメイン」といいます。「ローカル」と「ドメイン」それぞれの決め方について考えてみましょう。

「ローカル」の決め方

 ローカル名を決める際は分かりやすい文字列にする方が良いと言われています。フリーランスとして一人で仕事をしているのであれば、例えば田中さんであれば「tanaka」というように自分の名前をローカル名にするのがわかりやすいです。例えば、フリーランスとして事業が安定してきて電話や対面でメールアドレスを伝えることもあるかと思います。そういった際に自分の名前をローカルで設定しておくと伝えやすいです。

 なお、セキュリティを気にしすぎて、ランダムな文字列を設定した方が良いのではと思う人もいるかもしれませんが、ランダムにすると打ち間違いをしてメールが届かないという可能性もありますので、避けた方が無難です。

「ドメイン」の決め方

みなさんが良く使っているフリーメールの場合は、「~@gmail.com」「~@yahoo.co.jp」などがドメインとなっている。独自ドメインを使用する場合は、ドメイン前半部分は、フリーランスとして使用する屋号やサービス名にするのがよいです。独自ドメインの後半部分は、「.com」「.net」「.biz」「.jp」などが、知名度や費用の観点からフリーランス向きです。ドメイン前半部分を決めるにあたっては、世の中に存在しているドメイン名と重複したドメインが取得できません。ドメイン取得業者のサイト(URL)を訪問すると、ドメインの検索が可能です。「お名前.com」で取得を希望しているドメインがあれば、検索をかけてドメインが使用可能か、確認しておきましょう。

電子帳簿保存法との関係性

電子帳簿保存法において、電子取引のデータ保存はフリーランスであっても対象とされてます。

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法とは、電子的に保存する際の要件を定めた国税関係帳簿と国税関係書類に関する法律です。今年の2024年1月1日以降からは、電子取引に関するデータ保存が完全義務化されており、電子的に「取引関係書類」をやりとりした場合には、取引データを保存しておく必要があります。

フリーランスの場合には、請求書や領収書を扱うことが多く、確定申告でも必要となる書類の一つです。所得税の確定申告の根拠になる書類に関しては、定められた期間保存しなければならず、フリーランスの場合には保存期間は長くて7年と設定されています。今まで紙の書類で管理していた場合、取引関係書類の保存義務があるフリーランスは電子帳簿保存法の電子取引のデータ保存に則った形で保存することが必要となり、対応に時間を取られることでしょう。万が一、税務調査などが発生した場合には、書類の提出を求められる可能性があるため、早めに対応しておくことが大切です。

副業の場合にも対象となる

フリーランスとして活躍している人に限らず、会社員の傍ら副業としてフリーランスをしている人も、電子取引のデータ保存の義務化となる可能性があります。

例えば、「業務にかかる雑所得」を所得として申告しており、前々年の副業収入が300万円以上の方や適格請求書発行事業者の登録をしていて、インボイスの発行・保存が必要な人も対象となります。この場合、電子取引のデータ保存は5年間から7年間程保存する義務があるため、メールでのやりとりなどで受け取った電子書類に関しては、電子帳簿保存法の要件を満たす形でデータのまま保存していきましょう。

ただし、紙で受け取った書類に関しては紙のまま保存管理しても問題ありません。統一した形で保存を行う場合には、「スキャナ保存」の要件を確認し、保存するのがいいでしょう。

フリーランスで電子取引のデータ保存を行う具体例

ここではフリーランスとして活動する上で、メールのやり取りで発生する電子取引の具体例について紹介します。

見積書を受け取った

電子取引の中には、クライアントとの間でやり取りした記録となる請求書や注文書、見積書などが含まれます。一昔前までは紙で受け渡すことが多かったのですが、近年は電子取引が主流となり仕事専用のメールアドレスに受領するケースがほとんどです。

ECサイトを利用した領収書を受け取った

事業を運営していく上で、コストを下げるために備品をECサイトでまとめて購入した場合、利用した領収書をメールで受け取るケースです。納品書などは商品と一緒に同封されていることが多いですが、ペーパーレス化がすすみ、領収書はメールで別途添付しているケースが少なくありません。アスクルやAmazonなどをよく利用するフリーランスは、領収書は電子データで発行されており、メールもしくは公式サイトの購入履歴から電子データでの読み込みが必要なことを覚えておきましょう。

クラウド請求書発行システムの指定URLから受け取った

メールで受け取るケース以外にも、ホームページやクラウドサービスの指定URLから受け取るケースもあります。自らが情報を取りに行く必要があり、PDFデータをダウンロードしストレージに保存する必要があります。稀にデータで保存せず、PDFデータを紙に印刷して保管してしまう人がいます。例え管理がきちんと行われていたとしても、電子帳簿保存法の要件を満たしていないため無駄になってしまうため、注意してください。

電子データで領収書を受け取った場合の確定申告

電車取引で保存しなければならない領収書などの電子データは、フリーランスが行わなければならない確定申告にも必要な書類となります。会社員とは違い、自らが管理する必要があるため、どこにどんなデータが保存されているのか明確にしておくといいでしょう。この領収書は紙で管理、この領収書は電子データで管理など自己流にしてしまうと、後々紛失してしまったり管理方法を忘れてしまう恐れもあります。電子で管理した方が検索機能を使えるなど、メリットもあるため、他の書類と同様に一括してダウンロードし保存しておくことをお勧めします。

フリーランスが電子帳簿保存法に違反した場合

初めてフリーランスになる人は、仕事の確保や利益を優先して電子帳簿保存法で定められた要件を守れていないことも多いでしょう。当然国で決められた法律のため、正しく申告を行えていなかった場合には、罰則が科せられる可能性があります。

例外として、予期せぬ災害に遭遇してしまった場合や保存していた電子データそのものが完全に消失してしまっていた場合などがあります。

フリーランスが電子データで管理するメリット

フリーランスが電子帳簿保存法に対応し、電子データで管理するメリットは多いです。いくつか紹介していきます。

取引データの管理がしやすくなる

今まで紙で取り引きをしていた企業からするとシステムの導入は大掛かりなプロジェクトになります。しかし、電子で取引データを管理できるようになると、保存や応用などが簡単にできるため、結果的に管理がしやすくなるメリットを感じられるでしょう。

また、電子取引のデータ保存に対応しているシステムの場合には、ファイルを指示に従いながらアップロードするだけで、電子帳簿保存法に対応し要件を満たせるため一石二鳥です。中にはスキャナ保存に対応しているものシステムもあるので、どんな機能があるのか確認しておくことをおすすめします。スキャナ保存に対応していると、例え紙での取引が発生しても、受け取った書類を簡単にデータ化し管理することができます。

業務効率化につながる

紙・データに関わらず書類のデータを一元管理できるのは、業務効率化にもつながります。書類を簡単にデータ化し管理できるということは、書類がまとまっているファイルへのファイリングや必要なデータの引き出しにも時間がかかりません。特にフリーランスは自宅を事務所として使用していることも多く、必要な書類を5年以上保管し続けることを考えると、保管スペースにも限りがあるでしょう。電子データで管理することで、無駄な労力を減らし、書類を補完する場所も必要なくなります。

最近では確定申告に関しても、取り引きで発生した書類を電子データとして取り込むことで、無駄な労力を削減することが期待できます。自動で仕訳を行う機能に優れており、事業用のクレジットカードや銀行口座を登録しておくことで、確定申告の手続きを楽に進めることができます。業務効率化を優先したい場合には、経理関係の効率化に長けているサービスを選ぶのがいいでしょう。事務作業の削減や確定申告書の自動作成ができ、決算時期の負担を削減することが期待できます。

書類の確認がスムーズに行える

長く取引を行っている企業の場合には、過去に発生した書類を見返して確認を行う作業も発生するかもしれません。この際、紙で管理している場合には数あるファイルの中から探す手間がかかります。しかし、電子データで管理していれば、検索機能を有効に使い、必要な書類をすぐに確認することができます。事務作業を効率的にすすめながら、必要な書類を自動で管理できるシステムは、労力削減に大きく貢献するといえます。

まとめ

今回はフリーランスに仕事用のメールアドレスが必要な理由について解説しました。

独自ドメインを取得しようとすると費用がかかるため、最初はフリーメールから始めたいと思う方もおられるかもしれませんが、フリーランスとして事業を拡大していきたいのであれば今日から独自ドメインを取得していきましょう。

投稿者プロフィール

松田勇
私は10年以上にわたり、デザイナーとしてのキャリアを積んできたフリーランスデザイナーです。デザインの魔法に魅了され、クリエイティブなアイデアを実現することが私の情熱です。
さまざまなデザインプロジェクトに携わり、ロゴ、ウェブ、印刷物、パッケージなど、多岐にわたる分野での経験を積んでいます。美しさと実用性を融合させ、クライアントのビジョンを実現するお手伝いを心から楽しんでいます。
クライアントとの協力を大切にし、オープンなコミュニケーションを通じて共にプロジェクトを築き上げます。納期を守り、高品質な成果物を提供することをお約束します。
私のデザインはビジネスに魅力を与え、ブランドを輝かせます。クリエイティブなアプローチと柔軟性を大切にし、クライアントの期待をいつも超えることを目指しています。一緒に素晴らしいプロジェクトを実現しましょう。

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