フリーランスが安心して働き続けるために加入すべき?保険の必要性を紹介

What

目次

フリーランスは保険に加入するべき?

フリーランスは会社員と比べ、自由な働き方ができる一方で保障という部分に焦点を当てると手薄になるというデメリットがあります。ここでは、フリーランスは保険に加入するべきなのかについて紹介していきます。

年金の金額が少ない

フリーランスと会社員の違いにもなりますが、会社員の場合国民年金保険と厚生年金保険の両方に加入します。そのため、年金を受給する年になった際は老齢基礎年金と老齢厚生年金の2つを受給することが可能です。

しかし、自営業やフリーランスに加入するのは国民年金保険のみです。そのため、年金を受給する年になった際は老齢基礎年金のみとなり、会社員よりも受け取れる年金が少なくなる傾向にあります。実際に厚生労働省が行った調査によると、令和3年度の老齢年金平均受給額は、厚生年金加入者は月額145,665円、国民年金加入者は月額56,479円となっており、平均での数値にはなるものの、金額に差が発生している現状です。

参照:令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況 P10 , P22 を引用

フリーランスは​​​社会保障制度が​少ない

会社員として働いている人と比べ、フリーランスは​​​社会保障制度が​少ないのも特徴的です。社会保障は万が一​病気や​事故、​災害、​休業、​失業と​いったリスクに​備えになりますが、フリーランスや​個人事業主にとっては​社会保障が​少ない​制度になっているのが現状です。​特に影響が大きい社会保障が、医療保険、年金、雇用保険、​労働者災害補償保険などの労働保険です。後ほど詳しくご紹介していきますが、働いている年代ではケガや病気をした際の保障、退職後は年金支給において会社員よりも厳しい状況に置かれてしまいます。

フリーランスとして仕事をするうえでは、自分自身で保険を選択し加入する必要があるといえます。いざというときの備えとして、どのような保険があるのか、また保障内容や保険金額などを比較したうえで自分に合ったものを探していくことが大切です。

フリーランスが念頭におくべきリスクの把握

会社に属していないフリーランスの場合、いくつかの社会保障の内容が手薄になるというリスクがあります。フリーランスにこれから挑戦したいと考えている方やまだフリーランスになったばかりの駆け出しの方にとっては、事前にフリーランスのリスクについて把握しておく必要があるでしょう。具体的にどのようなことがリスクとして挙げられるのか解説していきます。

1,傷病手当金が受け取れない

傷病手当金とは、会社員が病気やけがで働けなくなり会社を4日以上休んだ時に支給される手当です。公的医療保険制度から支給されます。

働けなくなった月から数えて12か月以内の平均収入の最大3分の2が支払われます。

一方、フリーランスの場合には同様の状況に置かれても傷病手当金が支払われることがないため、いざというときの備えは自分自身でとる必要があります。リスクヘッジをする考えは、仕事以外についても念頭に置くべきだと言えるでしょう。

2,労災保険に加入できない

業務上の事故や病気があった場合、会社員であれば医療費の負担を労災保険で賄ってくれますが、フリーランスの場合は労災保険には加入できないため、自費での負担となってしまいます。労災保険は、病気やケガだけではなく、物の破損や情報漏洩といった身体に関する事象以外も対象となります。いざというときの保障を受けられるか受けられないかは働くうえでの大きな安心材料となるものだといえます。

3,年金額が少ない

職種や業種に関わらず全国民が加入する国民年金に関しては、フリーランスも会社員も老後受け取ることができますが、会社員が併せて加入することのできる厚生年金に関しては、フリーランスは加入することができないため、将来受け取る年金額にも差が出てきます。

フリーランスの場合、国民年金は全額自己負担で支払わなくてはなりませんが、会社員の場合には国民年金及び厚生年金は、会社と個人が折半して支払うものであることから、支払額以上に将来の年金額に大きな差が出てくるわけです。

4,遺族年金・障害年金が少ない

フリーランスの場合、老後の年金だけでなく遺族年金・障害年金に関しても国民年金のみからの支給となるため、厚生年金からの支給もある会社員に比べると少額となります。

遺族年金・障害年金だけでは不十分であることから、別に民間の保険加入などで不足分を補う必要があります。

フリーランスなら入るべきおすすめの保険

次にフリーランスにおすすめしたい保険をご紹介していきましょう。

1、ケガや病気を保障「医療保険」

ケガや病気により入院や手術をおこなう場合に給付金が受け取れる保険です。

公的医療保険により治療費に関しては3割負担となり、医療費が高額になった場合には高額療養費制度を利用して自己負担を減らすことが可能ではありますが、食事代や差額ベッド代などに関しては別途自己負担となります。

そういった場合に、日額〇〇円と給付金が支給されることで、大きな負担軽減につながります。

また、医療保険には特約として「三大疾病」や「先進医療」「病気やけがで働けなくなった場合の保障」をおこなってくれるものもあります。

必要に応じて追加し、いざというときの備えをしておきましょう。

2、働けなくなった時の保障「所得補償保険・就労不能保険」

病気やけがによって働けなくなった場合に保険金を支給してくれるという保険です。

この保険の場合には、入院だけでなく在宅療養も対象になるため、より幅広い範囲で保障が受けられます。

就業不能保険の場合、保険期間は1~5年と短く設定されており、保障期間は最大で1~2年と短期的なものが多くなっています。

一方、就労不能保険の場合には、保険期間は50~70歳前後で5年刻みに満期を選択することができ、保障期間は加入期間中となっているため、長期的な保障が特徴です。

3、一生涯にわたる保障「終身保険」

保障が一生涯続く保険であり、途中で解約した場合には解約返戻金が出るものも多くあります。

保障が一生涯であることから、加入時の保険料が高く設定されているケースが多いですが、保険を選ぶ際には目先の保険料だけではなく保障期間や解約返戻金の有無などに関してもきちんと把握したうえで比較検討する必要があります。

4、自分のライフプランに合わせて選択「定期保険」

保険期間中に死亡したり高度障害になった場合に保険金が支払われます。保険期間は自分のライフプランに合わせて子供の大学入学や住宅ローン完済等の節目といったタイミングで設定することができるため、より自分のスタイルに合った形で保険を組むことができます。

基本的に掛け捨てであり、解約返戻金がなく、一生涯保障が続くものではないことから、終身保険と比べると保険料が安くなるという傾向にあります。

5、リスクに備える「死亡保険」

個人事業主やフリーランス、自営業の方がリスクに備えるために、「死亡保険」も貼っておくべきでしょう。死亡保険は、被保険者が何らかの理由で死亡または保険会社が所定としている高度障害状態となった場合に、保険金が支払われます。個人事業主やフリーランスは、仕事を抱え込み体に負担を抱えてしまいやすい傾向にあります。一家の大黒柱に万が一の事態があった際に、遺族の経済的負担を軽減することが期待できます。

ちなみに、死亡保険といっても大きく分けて以下の3つのタイプに分けることができます。

  • 定期保険
  • 終身保険
  • 養老保険

各保険会社によって特徴が異なり、様々な保険商品が扱われているため、保険の内容を見比べて、残された遺族に必要な生活費や経済費をイメージしながら判断することをおすすめします。

6、物件損害の備えた「火災保険・地震保険」

個人事業主やフリーランス、自営業の方は、住まいや店舗を構えることもあるでしょう。その際に、「火災保険・地震保険」も、リスクに備えて入っておくべき保険の一つと考えられます。例えば、テナントを借りている場合、物件が火災や水災など何らかの損害を受けた場合や事業継続に必要な機器や道具が損害を受けた場合に火災保険・地震保険への加入をしておくと、保険金が支払われます。ちなみに、注意点として、地震による損害については、地震保険への加入が必要となります。地震保険を申し込みたい場合には、火災保険と同時に申し込む必要があり、契約途中で付帯できない点は覚えておきましょう。店舗を構える予定のある方はぜひ前向きに検討してみてください。

7、フリーランスだからこそ入りたい「フリーランス賠償責任補償」

フリーランス向けに用意されている​保険と​して、​「フリーランス賠償責任補償」と​いう​賠償責任保険が​あることをご存知でしょうか。手頃な​年会費で​加入することが可能で、フリーランスの方は​加入することで、​仕事をしているとリスクの高いとされている​著作権侵害や​納期遅延などに​起因する​損害の​賠償に​備える​ことができます。特にフリーランスの場合、仕事上ネットから集めた情報でやりくりしたり、クライアント先との交渉なども自らで行う必要があります。業務遂行中に扱う物や関わる対人の事故、情報漏洩や著作権侵害や納期遅延なども隣り合わせの状態となります。フリーランスだからこそ起こり得る特有の賠償リスクに備えて、チェックしておきたい保険といえます。保険会社が想定している具体例としては、自転車で配達している際に、通行人と接触しケガをさせてしまうケースや家事代行サービスを提供している際に、訪問先の食器や家財を破損してしまうケースなどが挙げられます。情報漏洩の関連では、フリーランスのパソコンがウイルスに感染してしまい、企業秘密にしなければならない情報を漏洩してしまい、営業損失を発生したケース。著作権の侵害では、クライアント先に納品した成果物が、第三者の盗用にあたるとされ、第三者から損害賠償請求を受けるケースなども該当します。万が一のリスクに備え、安心して働き続けるために加入を検討してみてください。

8,老後の暮らしに安心を「個人年金保険」

厚生年金に加入できないフリーランスの場合、老後の備えとして個人年金保険に加入するという選択肢があります。

個人年金には大きく分けて3種類あります。

①確定年金

契約時に定められた年金受取期間中であれば、被保険者の生死に関わらず支給される

②有期年金

被保険者が生存していることを条件として、契約時に定められた一定期間年金が支給される

③終身年金

被保険者が生存している限り一生涯年金受け取れる

一口に個人年金保険と言っても、受け取り方はさまざまです。自分の老後の暮らしを見据えて希望するものを選択しましょう。

​公的機関が​運営する​制度もチェックしよう

今まで紹介してきた保険以外にも、公的機関が​提供する​退職金制度や​借り​入れ制度なども存在します。フリーランスも利用することができるため、興味がある方はぜひ事前にちぇっくしておきましょう。

小規模企業共済制度

個人事業主やフリーランス、​自営業を営んでいる方向けの​「退職金制度」を扱っているのが​小規模企業共済制度です。小規模企業共済制度は、​中小機構と呼ばれる​国の​機関が​運営えお行っており、​積立式となりますが、​退職や廃業が決まった際に​一括や​分割で​共済金を​受け取る​ことができる制度です。

経営セーフティ共済​(中​小企業倒産防止共済制度)

同じく中小機構が​運営する​借り​入れ制度で経営セーフティ共済があります。​取引しているクライアント先が想定外の​倒産となり、​取引が継続できなくなった場合には資金操りが苦しくなることが予想されます。​経営セーフティ共済​は中​小ビジネスの​経営難を​防ぎ​経営の​資金に​充てる​目的が​あり、​加入することで​掛金の​10倍、もしくは上限8,000万円までの​借り​入れが可能となります。

フリーランスの保険でよくある疑問

Q、いざというときのために保険に加入しておく必要があることは理解していますが、保険の種類が多すぎてどれを選べばよいかわかりません。

A、確かに保険にはたくさんの種類があり、どれに加入すべきか迷うでしょう。また、いざというときのためにと複数の保険に加入して、現在の生活がひっ迫するようなことがあっても本末転倒になってしまいます。

保険を選ぶにあたっては、まず自分にとってどの種類のものが優先順位が上になるのかどうかを見極めましょう。

たとえば、今貯蓄がありある程度余裕があるという場合には、就労不能保険よりももっと先を見据えた個人年金保険の加入を検討するという具合です。

どれも魅力的な保険ではありますが、加入には必ずコストがかかります。しっかりと必要性を考えましょう。

Q、保険の知識がないため自分で選ぶのに不安があります。

A、保険選びに迷っているという方なら、プロの無料相談サービスがおすすめです。自分のライフスタイルや希望を取り入れた形でおすすめの保険を紹介してくれます。

さまざまな保険の相談窓口が用意されているので、お近くの店舗を探してみたり、WEB相談の利用も受け付けている会社もありますので、お好きな方法で一度相談してみましょう。

Q、フリーランスが加入する保険は経費として計上可能でしょうか?

A、保険に関しては経費として計上することはできません。

Q、保険を申し込む際に必要な書類は?

A、一般的に身分を証明できるものとして扱われることが多い、健康保険証や運転免許証、パスポートなど住所が確認できるものが必要となります。支払い方法に、クレジットカードや振込をきのうするばあいにはその情報もあわせて準備しておくといいでしょう。基本的に保険を申し込む際に必要な書類については、各保険会社のホームページにて案内されているので事前に確認することをおすすめします。また何が必要か分からない場合には、直接各保険会社の相談窓口に問い合わせしてみるのもいいでしょう。

Q、クレジットカード以外の支払い方法はありますか?

A、各保険会社によって異なります。基本的にはクレジットカードを案内されることが多いですが、クレジットカードのほかデビットカードや銀行振込に対応している保険会社があります。

まとめ

以上、フリーランスに保険が必要な理由やおすすめの保険についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?フリーランスとして働く場合、会社員と比べると保障の部分が不足していることはご理解いただけたと思います。

安心して将来を見据えて働くうえで、保険というサポート体制は非常に重要な役割を担います。

今回お伝えしたことを参考にして、ぜひ自分に合った保険を見つけてください。

投稿者プロフィール

sayakyame
現在小学生から幼稚園まで3児の男児子育て真っ最中の主婦です。
3年程前よりライターの仕事を始め、さまざまな分野の執筆を進めています。
前職では人事採用担当の仕事をおこなっており、採用関係や自身の育児や出産にまつわる記事に関しては、実体験をもとに執筆を進めていくことが可能です。

関連記事一覧

特集記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP