近年、「フリーランス」という働き方がますます注目を集めています。フリーランスとは、法人や団体に所属せず、個人事業主として自由に契約を結び、事業を展開する働き方を指します。主にWEBライターやデザイナー、カメラマン、プログラマーなどがこのスタイルで活躍しており、幅広い職種で個人としての選択肢が広がっています。
フリーランスには自由な働き方という魅力がありますが、一方で、収入や仕事量、休日管理などを自分で責任を持って行わなければなりません。特に、収入の不安定さや医療保険の選択、年金などの公的補償に関するリスクは大きな課題です。それでも、自分で事業の運営を管理できることに魅力を感じ、フリーランスを希望する人が増えています。最近の調査では、フリーランスの7割が40代以上のミドル・シニア層ですが、副業の解禁や企業の終身雇用制度の揺らぎに伴い、若者も副業を通じてスキルを磨き、フリーランスとして独立を目指す傾向が強まっています。
すでにフリーランスとして活動している方の7割以上が、「人間関係」「働く場所や時間」「プライベートとの両立」に満足している一方で、これからフリーランスを目指す人々は、所得や医療保険、介護保険などの支援や相談について不安を抱いていることが多いです。このコラムでは、フリーランスが加入できる補償や公的保険について詳しく解説していきます。
目次
フリーランスが入れる社会保険はあるのか?
これからフリーランスを目指すといった方は「フリーランスって社会保険はあるの?」「入った方がいい保険とかがあるの?」など、いろいろ気になることがありますよね?フリーランスが入らないといけない社会保険の種類は大きく分けて3つあり、「健康保険」「国民年金保険」「介護保険」の3つが挙げられます。介護保険に関しては特定の条件に合ったフリーランスが加入することができます。ではそれぞれの特徴について紹介しましょう。
「健康保険」
健康保険は国民全員が加入する義務がありますので、フリーランスも然りです。健康保険にもさまざまな種類がありますが、ここでは4つに分けて紹介します。
国民健康保険
1つ目はフリーランスや個人事業主の方がもっとも多く加入している「国民健康保険」に加入するといった方法になります。この方法がもっとも多く、簡単に手続きすることができます。
任意継続制度
2つ目は、フリーランスになる前は会社員だったという方に限った方法ではありますが、「任意継続制度」といったものがあります。会社員時代に入っていた健康保険に退職してからも「2年間」だけ加入し続けることができる制度となります。
扶養に入る
3つ目は、配偶者がいる方で自身ではそこまで稼ぐ必要がないといった方向けの方法で、「扶養に入る」といった選択肢があります。扶養の範囲内でしか稼げないといったデメリットはありますが、お得に健康保険に加入することが可能です。
国民健康保険組合に加入
4つ目は、「国民健康保険組合」に加入するという方法です。こちらは職業や地域によってさまざまな健康保険組合が存在し、特定の条件に合致している方だけが加入できるので、事前に確認が必要になります。
「国民年金保険」
国民年金保険はすべての個人事業主が加入する義務がある保険のことで、フリーランスも分類すると個人事業主となるので、国民年金保険への加入が義務となります。国民年金保険の特徴としては、会社員が加入している厚生年金に比べて受給額が少なくなるといった点が挙げられます。理由としては厚生年金のほうが国民年金よりも支払う額が多いため受け取り額も必然的に多くなります。国民年金は約40年間払い続けても、受給額は月額10万円に満たないといわれていることから、将来の受給額で不安があるという方は国民年金基金や小規模企業共済などの制度を利用することで、将来の受給額を増やすといったことが可能になります。
「介護保険」
介護保険には40歳未満であれば加入する必要がありませんが、40歳以上の国民は、強制的に介護保険に加入する対象となり、保険料を安くする方法などもありません。強制的に加入が必要になりますが、その分自身が要介護者となった際は、介護保険から保険金が支払われるので心配は少なく済みます。
満40歳に達すると、これまでの健康保険料に加えて介護保険料が徴収されます。その期間は40歳から65歳に達した前月までとなります。
「介護保険」
介護保険には40歳未満であれば加入する必要がありませんが、40歳以上の国民は、強制的に介護保険に加入する対象となり、保険料を安くする方法などもありません。強制的に加入が必要になりますが、その分自身が要介護者となった際は、介護保険から保険金が支払われるので心配は少なく済みます。
満40歳に達すると、これまでの健康保険料に加えて介護保険料が徴収されます。その期間は40歳から65歳に達した前月までとなります。
社会保険と健康保険の違い
社会保険と国民健康保険、どちらも日本の保険制度であり、家族の扶養に入っていない場合は必ずどちらかの保険には加入しておかないといけません。一般的に会社員が加入している保険が社会保険で、それ以外の個人事業主やフリーランス、年金受給者が加入する保険が国民健康保険と認識しておいていいでしょう。
では社会保険と健康保険の違いについて紹介します。
「社会保険」
社会保険は「全国健康保険協会」や「健康保険組合」が運営を行っています。適用事業所に雇用されている正社員であれば基本的に全員が加入することになります。日雇い労働者や適用除外の事業所で雇用されている方で社会保険に加入できない場合は国民健康保険に加入する必要があります。
保険料の計算方法は毎年4月〜6月の月額報酬の平均を基に、標準報酬月額を算出し、あとはその金額を各都道府県別に保険料額表があるので参照すると大体の金額を把握することができます。
「国民健康保険」
国民健康保険は社会保険と違い、市区町村が運営しています。加入条件や保険料の金額、扶養の有無などのさまざまな違いがあります。社会保険に適さないすべての人が国民健康保険に入るといった形になりますが、生活保護を受けている場合には別の医療費補助制度があるため、国民健康保険に加入することができません。
国民健康保険の計算方法としては、居住する都道府県や市区町村によって変わります。国民健康保険の料金を知りたいという場合には居住する地域の保険料を確認するとわかります。
フリーランスが入るべき健康保険
フリーランスが入るべき保険としては、これまで紹介してきました「国民健康保険」が一般的でおすすめといえるでしょう。市区町村が運営する国民健康保険と国民健康保険組合が運営するタイプの2種類があります。一般的に国保というと市区町村が運営しているもののことを指します。
先ほど紹介した、フリーランスになる前は会社員だったという場合は2年間に限っては「任意継続」という形をとることができます。この任意継続をおすすめする方は扶養家族が多い方にはメリットがあるかもしれませんが、一人身の方や、扶養家族がいないといった場合にはあまりメリットはないかもしれません。
デメリットとしては、今までは会社と折半していた保険料が全額自己負担となるため、単純に保険料が倍になるといったことと、保険料の納付に非常に厳しいので、1日でも滞納してしまうと強制的に脱会させられるといった点が挙げられるので注意が必要です。
まとめ
これまでフリーランスが入るべき保険と、社会保険と国民健康保険の違いについて紹介してきました。フリーランスになる前が会社員で最低2ヶ月以上、社会保険への加入実績があれば「任意継続」を適用することが可能ですが、扶養家族が多い場合にはメリットがありますが、それ以外ではあまり恩恵はないかもしれません。
フリーランスが入るべき保険は基本的には「国民健康保険」に加入するというオーソドックスな方法がおすすめです。
自身の状況を踏まえながら、住む地域の保険料などの内容を調べながら計算してみると勉強になるのでおすすめです。
投稿者プロフィール
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私は10年以上にわたり、デザイナーとしてのキャリアを積んできたフリーランスデザイナーです。デザインの魔法に魅了され、クリエイティブなアイデアを実現することが私の情熱です。
さまざまなデザインプロジェクトに携わり、ロゴ、ウェブ、印刷物、パッケージなど、多岐にわたる分野での経験を積んでいます。美しさと実用性を融合させ、クライアントのビジョンを実現するお手伝いを心から楽しんでいます。
クライアントとの協力を大切にし、オープンなコミュニケーションを通じて共にプロジェクトを築き上げます。納期を守り、高品質な成果物を提供することをお約束します。
私のデザインはビジネスに魅力を与え、ブランドを輝かせます。クリエイティブなアプローチと柔軟性を大切にし、クライアントの期待をいつも超えることを目指しています。一緒に素晴らしいプロジェクトを実現しましょう。
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